大学卒業後、電通に入社。次の職業は「GQ JAPAN」の編集者。
そして、昨年2011年にSumallyを立ち上げる。
シンプルかつオシャレなUIにも注目の新しいソーシャルサービス。
代表の山本憲資さんにお話を伺って来ました!


ーまず、Sumallyについて簡単に説明にしていただけないでしょうか。

大きいコンセプトとしては、「モノのウィキペディア」を作る。その上でどんな面白いことがあるかっていうと自分の好きなモノや欲しいモノ、持っているモノをシェアしたり、好きな人をフォローして、好きなモノから自分とセンスの合う人に出会うことができるプラットフォームになっていくといいなと思ってます。



ー私も結構Sumally使ってますけど、自分の持っているモノを探して載せるっていう作業がすごい楽しいです!

裏のテーマとして、「所有からの開放」っていうコンセプトがあって、四次元ポケットみたいな機能というか、そこに載せていれば、いつでも引き出せる。お金さえ払えば、なんでも手に入れるっていう状態にすべてのものを持っていくっていうことができたら面白いかなと思います。今だと絶版になった本もAmazonのマーケットプレイスで買えちゃう状態にあるけど、あらゆるものそういう風になっていったらいいなという気がしていて。マクドナルドのおまけからエルメスのかばんまで。

選ぶモノでその人ができて、それが可視化される。それが同じ人は似ているんじゃないかっていうのを「自分が選ぶモノ」というプレゼンテーションで繋がっていけたらいいなと思っています。そういった似ている人って世界中にいると思っていて、そこって言語は必要なくてただ俺たちこれが好きだよねっていうだけで、10個好きなモノが同じだったらそれぞれの11個目ってすごく共感し合えるのではないかと思います。


ーモノを大切にするっていうことを維持しながら、新しいモノを買えるっていうのがSumallyの魅力ですよね。

自分が何を持っているかっていうのを見ながら、自分と向き合う機会になるといいなと思いますね。


ーSumallyを見てやっぱり女性向けのモノが多いと思うんですけど、ユーザーの方は女性が多いんですか?

まだ男のほうが多いんですよね、実は(笑)なので、もっと女性層を増やしたいです。


ーPinterestと全く逆ですね!

一番最初に空っぽでスタートしても面白くないので、雑誌でモノを紹介しているような人たちに、「Sumallyでも紹介してください」とお願いして、5000点くらい撮影して、一番最初のコンテンツにしたんですね。そこに出てくれた人たちが結構男ヨリだったっていうのも影響していると思います。半々くらいには持っていきたいなとは思いますね。



ー作ろうと思ったきっかけはなんですか?

もともと「GQ JAPAN」というファッション誌の編集者だったんですけど、僕自身もすごいモノが好きでした。例えば、今までのNIKEのスニーカーが全部見れる場所って探してみたらないなとか思ったり、スターウォーズのフィギアが全部見れる場所はあるかっていうとなくて。人間が生みがしたものを整理するのも、また人間の使命なのかなと。そういうものを創りたいと思ったが本当の一番最初のモチベーションです。


ー起業するにあたって、収益化するまで初めは動きまわってましたか?

今も動きまわってるよ(笑)でも、僕にとってはすごい楽しい作業で。
やっぱり編集者的にやっている所もあって、この人にこういうことをしてほしいってお願いしにいくっていうのは、雑誌でもWEBでも基本的には同じかなと思います。だた、WEBと雑誌の違う所は、雑誌はそこで作ったら終わりなんですけど、WEBの場合は一番最初のフックはそうやってお願いして、それがスイッチとなってどんどん広がっていくっていう仕組みも作らないといけないっていうのはWEBの面白いところであり、大変なところだと思います。


ーでは、学生時代はどんな方でしたか?

今はそんなに好きじゃないんだけど、高校生の時は、洋服が好きでした。


ー今はそんなに好きじゃないんですか?

今はそんなに…(笑)別になんでもいいからね。
夏は半袖半ズボン、冬は寒さをしのげればそれでいいかなと思ってます(笑)


ーファッション誌の編集者だった時は?

プロフェッショナルで働くっていうことは、好きであるということと客観的に見れることを区別できることだと思っていて。だから自分が好きでやっているのか、やるべきだからやっているのかっていうのをつねに把握しながらそれに取り組めるっていう状態にマインドセットするのは、すごく大事な事だと思ってます。洋服に対してもそういう風に見るようになってきて、好きはもちろん好きなんですけど、根が怠惰のもあって、まあなんでもいいかなっていう(笑)
人様に不快感を与えない程度のクオリティーを維持すればなんでもいいかなっていうのはあります(笑)
Sumallyのコンセプトもモノにこだわるっていうのは、すごくあるんですけど、好きじゃないモノを好きになるのはすごいエネルギーが必要だと思っていて。でも、好きだけど知らないのはもったいないと思っています。それぞれの国にあるものを自分と似たセンスの人たちのアンテナを使って新たに知ることができるっていうようなことがもっと起こればいいなと思っています。


ー今後の展望を教えてください。

Sumallyの中でもモノが売れる買えるようにするっていうのが次のステップですね。いいなって思った時にすぐ買える、wantがいる人の所で売れるっていう状態を作っていこうと思っています。


ー海外の人たちがどんどん参加してくと、広がっていくんじゃないですかね?

とはいえ日本でできることもたくさんあると思いますね。僕は日本人だし、ニューヨークの街をつくるっていうとアメリカ人にはやっぱり負けるんですよね。僕らに勝てるのは、原宿をつくることや秋葉原を作ることだと思います。世界で通用するレベルっていうのは全然譲らなくていいと思うんですけど、ただ自分の作れるものは何かっていうっていうのを見極めるのはすごい大事だと思います。意外にローカルなことも大事で、ミキレポをみてSumally始めましたっていう人も実際にいると思うんですね(笑)っていうのが起こっているって東京な訳ですよ。この土地でやる以上そういことが実際に起こっていて、いくらWEBサービスといったとしても、どのコミュニティと結びついていくのかっていうは大切だと思いますね。なんでもかんでも世界って言ってても始まらないので。別に東京向けのサービスをやりますってことではなくて、まずできることは何かっていうのを理解してそして世界に向かっていくっていうことが大事なのかなと思います。


ー起業する人に一言お願いします。

僕は世界中の素敵なモノの情報を知っておきたいっていう欲求がすごいあるんです。モノが好きで好きしょうがない。だから、辛くてもできるし、面白いってなんでも思えるっていうのはあります。その気持ちを持って取り組めるかっていうが大事だと思っていて、それがないならあんまりやる意味がないなっていう気がします。出版社の前は電通にいて、それはそれですごい勉強になったし、楽しかったので。ベンチャー至上主義だとあんまり思わなくて、ただただどうしてもやりたいことがあってはじめて、やったらいいと思います。


ー好きなモノを共有するということで、似たようなセンスの人を世界中で探すということはとても素敵ですね。Sumallyのシンプルで使いやすいUIも大好きです。今日はありがとうございました!!