こんにちは\( ˆoˆ )/ 今日は言語学習者向けの相互添削型SNSを運営されている株式会社Lang-8にお邪魔しました。私も高校時代の留学中使っていたので、今回インタビューした喜さんにお会いしたときは嬉しかったです。やっぱり使ってるサービスを作るひとにお会いできるのは感動しますね…!
留学中見つけたコミュニケーションでは習得できない語学力
ーLang-8が生まれたきっかけを教えてください。
元々中国生まれ4歳から日本で育っているのですが、中国に対して知識や語学力がなかったので、学ぶために大学時代に休学をして上海に留学をしていました。 寮では中国人と一緒に住んでいたのでだいぶ上達しましたが、会話の中身が大事なので多少間違っていても注意してくれないんですよ、通じればいいので。それでニュアンスとかもしっかりできるようになりたいと思って中国語で日記を書いて友達に添削してもらっていました。最初は3行くらいで最後はA4で2ページくらい書けるようになっていました。向こうでは日本語は人気だったので、代わりに僕も教えてあげて。
これって良い仕組みだなあと思って、日本に帰ってきたらミクシィが大流行していたので、オンラインでやったら面白いなと思ったのが最初です。
今回お話を伺った株式会社Lang-8 CEO 喜洋洋さん |
ー最初はおひとりで?
最初の半年は一緒に起業した友達もプログラミングができなくて、その半年後は友達が抜けてひとりで運営していました。その1年半後にエンジニアの同級生とやっていたのですが、そのエンジニアも卒業して就職してしまいました。それからまた東京に来るまでは基本的にはひとりで運営していました。
ーそれすごい…!!(笑)プログラミング未経験のままおひとりは怖くなかったですか?
最初の半年はほぼよくわからないままほったらかしで動かしてました。たまに気まぐれで来るアルバイトの子にまかせてるっていう超ヤバイ状態でした(笑)やっぱり社長もプログラミングができたほうが圧倒的にいいなと身を持って知ってから、本格的に独学で勉強しました。
ー大学4年生からサービスを始められたとのことですが、就活はどうされたのでしょうか?
就活はしませんでした。当時は、起業やビジネスコンテストを運営しているひとが多かったので、周りがそういうムードで抵抗はなかったです。一番最初に一緒に起業した子がイケイケだったので、半分勢いですね。 それと一応大学院も受かってはいたのですが、入学届けと休学届を一緒に出して。戻る気は一切なかったんですが、親には休学してるから。。みたいな感じで(笑)それで、MAX3年休学して、退学しました。
ーなかなか勇気がないとできないですよね、すごいなあ…。7年間頑張れた理由、支えたものはなんだったと思いますか?
起業当初はお客さんのためって言ってる経営者はポジショントークだと思ってたんですが、本当にユーザーさんの声が1番のモチベーションになることを痛感しました。「こういうサービスほしかった…!」とか「Lang–8超使ってます!」とかメール頂いたり、極稀にお手紙とかも頂いたりして。そういう声を頂いて今まで頑張れたと思います。
メンバーの方々は新サービスについてのミーティング…わくわく |
ー確かにユーザーに愛されているサービスというイメージがあります。
そうですね、昔お金がなかったときには寄付を募っていたことがありました、数十万集まりました。本当にありがたいですね。
舞台は京都から東京へ
ー京都と東京のスタートアップの違いは?
基本的に自社サービスやるなら東京のほうがいいと思います。採用や情報交換も比較的しやすい環境でもあるし、関西は受託系の会社が多いので。あとは、イベントや勉強会も京都にいるとサクッと行けないんですよね。でも、オフィス代は京都は東京より安いのでそういう面では京都はとても環境はよかったです。京都じゃなかったらサバイブできてなかったと思います。。(笑)
みんなの堀北真希…!!!!お水も飲めて色々オアシスな場所 |
ー起業家支援プログラム OpenNetWorkLab(以下Onlab)に去年参加されていましたが、参加された理由が気になります。Onlabは未登記のサービスやまだできてない段階からのチームが多いイメージが個人的にあって!
最初は入るつもりはなかったのですが、プログラムに参加していたQiitaを運営しているIncrements社とか見てていいなとは前から思っていました。起業してから5年くらい経つのもあって難しいと思っていたのですが、Onlabの前田ヒロさんに誘われたのと当時東京で新しくチーム作ろうとしていたので外部から定期的にミーティングできるほうがいいなっていうのも理由のひとつです。また、オフィス代が1年間無料になることも魅力でした。
ーユーザーはどんな方が多いですか?
年齢だと20代が半分で、その次が30代、10代。学生さんや主婦が多いですね。 国別だと、日本が一番多いですが7割が海外です。海外は、日本・アメリカ・中国・ロシア・韓国・イギリスという感じです。
ー言語はどんなものがあるのでしょうか?
言語のリストがあって一応90言語あるんですが、日本語を中心にすべて使われています。 マイナーなものだとクロアチア語とか。そういうマイナーな言語って勉強したいと思ってもテキストすら手に入らなかったりするんです。辞書も日本語ークロアチア語の辞書とかないので、日本語→英語英語→クロアチア語って翻訳するみたいな。なので直接クロアチア人と交流して、しかもお互い教え合うことができるっていうのはLang–8だからできることだと思います。
ーユーザーが最初に一気に増えた瞬間は?
ベタですが、はてなブックマークです。シリコンバレーに出張行ってるときに、いつもは1日10人くらいしか増えなかったのに急に600人増えてびっくりしたのを覚えています。テック系の女性ブロガーの方の記事で紹介してくださいました。日本では、クチコミやイベントを中心に知ってもらうことが多いです。
窓が大きくて仕事が捗りそうな机です!(私的ここが一番lang-8オフィスベストスポット( ˘ω˘ )) |
ーでは海外ではどうやってユーザーを獲得されたのでしょうか?
海外は地道にライブジャーナルやFacebook、マイスペースなどのSNSのコミュニティに書き込みをしていました。また、日本のことを英語で紹介してくれてるブロガーさんにメールを出して、よかったら取り上げてくださいとお願いしたり。
ー1番のサービスのポイントを教えてください!
ネイティブに教えてもらえる・添削してもらえることです。ユーザーさんに評判が良い機能は、1行1行添削できるのが人気の機能です。
一行ずつ添削してくれる…! |
ーサービスを作ってるときに楽しかったこと・苦しかったことは?
楽しかったことは、ユーザーさんの反応をもらったときやたくさんの人にサービスについて知ってもらったとき。最近だと、中国のミニブログサービス微博(ウェイボー)でつぶやかれて2日で数万人増えたときは嬉しかったです。
反対に苦しかったことは、初期のエンジニアがいなくなって初めてひとりになったときに、自社サーバー15台とユーザーさん10万人を抱えてプログラミングまったく分からない状態でオフィスにいたとき。お金も全くなくて猛勉強しました。
Lang–8のツイートをリツイートしまくるのも当時の名残で、いつサービスが止まったか分からないので、ひたすらツイートを見る癖がついたんです。「Lang–8重い」ってつぶやきがあったあとにだいたい止まるのでそのときの名残ですね。
技術本がたくさんありました! |
ー1日のタイムスケジュールを教えてください。
日によりますが、10時出社です。家が近いのもあって、昼にハムスターの世話兼お風呂に入りに自宅に戻ります。それからは夜までひたすらオフィスにいます。開発とかお問い合わせ対応、もろもろ全部やっています。大体夜までやってジム行って寝るみたいな生活です。
お仕事中の喜さん |
ー今(アルバイト含めて)何人くらいで構成されているんですか?
社員はデザイナーと僕、そして今月からリモートでiOSエンジニアの3人です。事務のアルバイトの方2人、iOSエンジニアのフリーの方が5,6人いる感じです。Railsのアルバイトが関西にひとりいます。
ー1人目の社員(デザイナー)さんの入社のきっかけは?
元々京都にいたときからアルバイトとして手伝ってもらっていました。なので結構付き合いは長く、技術力や真面目さはよく知っていました。その後、他に就職していたのですが東京に移転したタイミングで入社してもらいました。
喜さんとデザイナーさん |
気になるの新サービスの内容とは…!
ネイティブスピーカーに簡単に質問をできるアプリを作っています。Lang–8は外国語で文章を書くのでモチベーションの高いひとにとっては良いのですが、このアプリはもっと気軽です。「英語でこれはなんていうの?」とか「これとこれはどう意味違うの?」とか質問をすると、即レスでネイティブスピーカーからチャット形式で返信をもらうことができます。使い方としては、nanapiのアンサーのような感じです。今はテストユーザーのみで公開しています。
例えば、スラングが多くてわからないツイートをもらった時はそのスクショを撮って質問すると、これは女の子が使うスラングで言い換えるとこうだよと返信をもらえます。
Lang–8は添削率は高いので回答はそんなに心配していなくて、いかに投稿の敷居を低くするかにかなり注力しています。
ーアプリはいつ頃利用できるんですか…!!?
最初は日本で利用できないのですが、できれば9月中に公開したいです!
新サービス早く使いたい…バンバン(ノシ・ω・)ノシ |
ー今後のビジネスモデルを教えてください。
今はLang–8本体のアクティブ率をあげるためにもアプリに注力しています。アプリでも有料会員と広告で、有料会員だと投稿が目立つところに表示されたり、添削とか回答がもらいやすくなったり。あとは、音声のアップロードが長くできたり制限系を考えています。ビジネスマンに即レスがもらえる、相手の属性を指定して質問回答をできるようにしたいです。将来的に1000万人とかユーザーが増えたときには、CtoCのプラットフォームとして、「日本語1時間1000円」とか「IT英語1時間1000円」とかいろんなひとが色んな言語を教え合える場所にしていきたいです。
ーこれからの展望について教えてください!
サービスの舞台がPCからスマホに舞台が移ってから、ほとんどの語学系のサービスってコンテンツ系でクイズやリスニングとかが多いんです。Lang–8にはネイティブスピーカーの持ってる知識をエクスチェンジできるプラットフォームがある。なので、ユーザー同士から生まれる語学サービスで1位になりたいと思っています。海外の人とコミュニケーションするとき文法だけじゃだめで考え方や習慣も理解していないとうまくコミュニケーションできないので、ひと同士だったらできると思っています。最終的には1億人目指して、やっていきたいと思います。
ー最近は、新しいサービスが毎日にように生まれていますが、まだまだIT系以外のひとや本当に求めているユーザーに出会うのは難しい。Lang-8は本当のユーザーがたくさん集まっていてユーザーに愛されていることがとても伝わってきます。たくさんの本当のユーザーに愛されるには簡単ではない道のりからなのだと心を打たれました。今日は貴重なお時間ありがとうございました!
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